うつ病の予防

うつ病の予防は可能か

うつ病の予防は可能か
  • 現在のうつ病は、2つのパターンがあります。以前にうつ病を発症したことがあり、その症状が度々繰り返されるという「昔ながらのうつ病」を予防するのは、残念ながらなかなか難しい状況ですが、ストレスなどからくる「現代的なうつ病」については、改善できる可能性があります。
  • 現代のうつ病は、「ICO 10」というWHOが設けた基準によって診断されています。診断基準が少し広い範囲で設定されているので、一時的な「ストレス及びうつ状態」にある患者さんも、「うつ病」として診断されることがあります。
  • 現代的なうつ病は、ストレスを我慢していて起こるため、その要因が軽減されれば、症状も治まることが多いです。
  • 仕事や家庭の問題をきっかけに発症される方が多く、その内訳のおよそ8割は職場関連でのストレスです。仕事量によるものか、不条理なパワハラや責任転嫁、あとは過干渉をはじめとする人間関係のトラブルが大半です。
  • そして最近、特に女性に多いのが、お子さまの学校関係の悩みです。真面目な性格の方が役員を引き受けたりしてしまったりして発症されるケースなどが見られます。
  • うつを予防するには、不調を感じたらまずは早めに診療していただくことです。患者さまご自身でも、周囲に体調の状況を説明して、ストレスを抱えないようにしたりするような対応や工夫も必要かもしれません。
  • そして、仕事が関連する場合には、必要に応じて、お勤めの職場を担当されている産業医に情報を提供する診断書を執筆します。あくまでも対応を決めるのは産業医の判断になりますが、解決方法の一つです。

うつ病の予防に、運動は効果的か?

急激なダッシュなどのような、いわゆる無酸素運動は意味がありませんが、ひなたぼっこのようなリラックスした状態でする運動は、気分転換になることが多いです。でも、毎日やるべきタスクやデューティにしてしまうと、真面目な方が多いうつ病患者さんの心を、より追い込んでしまうことになるので、雨が降ったり、辛い時はやめるといったような、柔軟性を持ちながら取り組むと良いかもしれません。

うつ病になるリスクを上げる要因

うつ病になるリスクを上げる要因
  • うつ病になりやすい方のパターンを見ていると、昼夜逆転した生活をされている方が多いです。睡眠と覚醒のリズムが狂ってしまっている場合には、適切と思われる時間帯に寝られるように調整する必要があります。
  • 人間の体内時間は25時間。太陽光を浴びるとリセットされると言われていますが、病気にかかっていなくても、少しずつズレてしまうものです。なので、うつ病の治療にあたっては、体内時間を戻すために睡眠剤を使うケースもありますが、この場合も急速にではなく、数時間ずつ徐々に時間を戻していきます。
  • 将来的にうつ病にかかるリスクを上げてしまう要素としては、眠れない時に多量のアルコールを摂取することです。晩酌をする程度なら問題はないのですが、アルコールの力を使って眠りにつくと、意識混濁を引き起こし、睡眠のリズムが崩れてしまうことがあり、身体が疲弊してしまいます。
  • そして睡眠を妨げる要素として挙げられるのが、スマートフォンとゲームです。もし、スマートフォンやゲームが気になって仕方がないとか、何回もインターネットを検索してしまうといった強迫観念に近い状況があれば、早めに治療を受けたほうが良いかもしれません。
  • これ以外にも、仕事などのストレスと対峙した時に頭痛、吐き気、拒絶反応といった症状が出た場合にも、早めに医師にご相談ください。

リスクが上がるタイミング

リスクが上がるタイミング

結婚、離婚、出産、転職など、ライフスタイルの変化があったときには注意が必要です。特に職場でストレスを感じられる方が多い状況が、会社での昇進です。より仕事での責任が重くなることもあって、降格よりもストレスを感じ、体調に変化が出てしまう方が多い印象を受けますね。後、近年ではパワーハラスメント、セクシャル・ハラスメントと言った、職場で圧力を受けた場面での変化も多く見られます。

女性の場合、ホルモンバランスが崩れるタイミングや注意が必要な時はありますか

女性のなかには、月経前緊張症(PMS)と呼ばれる月経前に心身の不調を訴えるケースが見られます。この場合は、定期的に不調を和らげる薬を飲んでいただきつつ、不調を感じられる期間だけ投薬量を増やして様子を見ることはあります。

いま増えているパターン

  • 最近は、仕事を起因とする強い不安や、うつの症状で来院される患者さまが増えているような印象を受けます。
  • 例えば、部署が統廃合されたとか、仕事の量やノルマが増えたといった、環境の変化や責任の増大に伴って発症される方が多いでしょうか。
  • 男女比は、1対1。近年は、お仕事をされていて社会的な役割としての強く求められる女性も多く、かつてに比べると女性の割合が増えてきています。
  • そして最近では、新型コロナウイルス感染症の広がりとともに、在宅勤務の方が増えてきているので、将来に不安を感じられたり、習慣が奪われることによって、外に出るのも億劫になってしまうという患者さまも診察にいらっしゃいますね。
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